大阪駅前第1ビル、第2ビルに続いて1979年に大阪駅前第3ビルが竣工します。第1ビル、第2ビルを越える高さの34階建ての高層のオフィスビルとなりました。
大阪駅前第3ビルの概要
大阪駅前第3ビルの構成
第3ビルは34階建て、高さ142ⅿで、当時、大阪駅前ビルの中でもっとも背が高いだけでなく、西日本一の高さを誇っていました。そのため、現在容積の基準を「東京ドーム何個分」というのと同じように、「第3ビル何個分」というように言っていたといいます。
1986年に38階建て、高さ157mの大阪ビジネスパークに「ツイン21」と34階建て、高さ145 mのヒルトンプラザ大阪が完成したことで、西日本一ではなくなってしまいました。大阪駅前第3ビルは地上3階・地下3階に駐車場があります。
フロアの構成は、地下1階・2階には、ファミレス、居酒屋、ファーストフードのほか、チケットショップの店舗がたくさんあります。3階から17階はオフィスフロアになっていますが、13階は機械室しかないため、窓ガラスもなく、エレベーターは停止しません。
18階はクリニックフロアで、様々なクリニックが集まっており、19階は大阪産業大学の梅田サテライトキャンパスやサンケイリビング新聞社リビングカルチャー倶楽部になっています。20階・21階は多目的フロアで、22階から31階はオフィスフロア、32階から33階はレストランフロアになっています。
34階から上は機械室になっています。駅前第3ビルのエレベーターたけがエレベーター内でBGMが流れるという話もあります。大阪駅前第3ビルも第2ビルと同じく、麺類、洋食店が多く、ランチの激戦区となっています。
梅田壱番湯
大阪駅前第3ビルと第4ビルの間の地下通路にはかつて梅田壱番湯という銭湯が存在しました。もともとこの土地にあった銭湯でしたが、大阪駅前ビルが開発されたことで取り壊しとなり、その後に第3ビルと第4ビルの地下連絡路に移転してきたそうです。
小さな狭い銭湯でしたが、当時、まだお風呂の普及は行き届いていなかったため銭湯を利用する人も多く、夜の仕事などで通常の銭湯が営業している時間に行けない人のための銭湯として愛されていました。
1992年まで営業していたようですが、その後は廃業し、1995年の阪神大震災の時に、この銭湯を思い出してはるばる神戸から大阪にお風呂に入りに来た人が、銭湯が見つからず残念ながら帰ったという話もあります。
うどん はがくれ
大阪駅前第3ビルの名物店といえば「はがくれ」です。残念ながら2018年に閉店しました。行列必至の手打ちうどん店で、閉店が決まってからは連日3時間待ちで、最後までファンたちに惜しまれながらの店じまいでした。
大将の絶妙トークが人気で、看板メニューは生醤油うどん。大将のこだわりの食べ方があり、「混ぜるのは禁止、すだちを搾り、生じょうゆを2往復半かけて、箸を持って2本つまんで目の高さまで上げたらツルッと一気にすする」というのがここでのルールとなっていました。コシのあるうどんで、本場の讃岐よりもおいしい讃岐うどんとして、大阪市民に長く愛されたお店です。